(書評)スタンフォード式疲れない体

まとめ

大きな主張は、「疲れは神経と体の連携が崩れて起きる現象」ということです。

自律神経と中枢神経のバランスを整えるべく、IAP呼吸法と体の歪みを取ることを中心に、スタンフォードのアスリートへ施しているコンディション管理の一端を紹介してくれます。

アスリートのパフォーマンスを最大に引き出すために磨かれた知識。疲れとは何か?どうすれば疲れない体になることができるのか?を我々非アスリートのためにわかりやすく纏めてくれた1冊。

筆者

山田知生 さん

スタンフォード大のスポーツ医局のアソシエイトディレクター。

構成

「疲れは神経と体の連携が崩れて起きる現象」という主張から、医学、脳神経科学、栄養学といったスタンフォードの最新知見をもとに組み立てた回復プログラムを紹介。

プロローグ 全米最強のスポーツ医局が明かす「疲れない体」の作り方

0章 スタンフォードで突き止めた「疲労発生」のメカニズム

1章 世界最新の疲労予防「IAP」メソッド

2章 疲れを持ち越さない 究極のリカバリー法

3章 こう疲労体質になる 一流の食事術

4章 スタンフォード式 ハードワーク・メソッド

エピローグ ”再起動”を完遂して「最強の自分」になる

初版:2018年5月

ポイント紹介

疲労とは

筋肉だけでなく「神経のコンディションの悪さ」が疲れを引き起こします。

その中でも

(1)自律神経・・・交感神経と副交感神経のバランス

(2)中枢神経・・・体の歪みにより、「中枢神経→末梢神経」の連携がうまくいかなくなり、身体が上手く動かない。そうなると、なんだか重いとか、だるいと脳にフィードバックされ、結果「疲れている」と感じる。

IAP呼吸法

IAP呼吸とは、腹式呼吸とは異なり息を吸うときも吐くときもお腹の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法。自律神経の集中する横隔膜を意識するのがポイント。

腹圧が高まり体の中心(体感と脊椎)が安定する→正しい姿勢になる→中枢神経と体の連携がスムーズになる、ということです。

本書では、所要時間1分で簡単にできるIAP呼吸法のレッスンが書かれており、寝る前に行うことを推奨しています。

Youtubeでもご本人が紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=HBnSzDQ02B4

リカバリー

本当に色々なことが書かれているため、箇条書きで抜粋します。

・取り除くべきは体の変な癖。

・動的コンディショニング

→体を軽くした方が血流の流れが促進され、疲労物質の滞留を防ぐ

→軽く汗をかいてさらに交感神経を活発にすると、その後逆にガクッと下がって副交感神経が優位になり、リカバリー。

・アイス・ヒート

→血管の収縮と拡張が繰り返され、血流が良くなる+自律神経が効果的に刺激されることがが分かっている。

・睡眠

→時間帯は変えない

→週末にリズムを狂わせない

→ベッドに入る90分前までに入浴(上がった深部体温がもとより下がるのに90分は必要)

→就寝前にお腹を膨らませる(横隔膜を動かす)

・食事

→血糖値スパイクを避ける

・牛赤身肉はLカルニチン(疲労回復のアミノ酸)、トリ胸肉はイミダペプチド(活性酸素を取り除く、脳の疲れを取る)

食事に関しては、アスリートたちに筆者が勧めている食事の内容が結構細かく書かれており、参考になります。

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