(書評)朝イチのメールが残業を増やす

まとめ

一言で言うと、「脳を集中させて」生産性を上げるための本です。

章ごとそれぞれ「睡眠」や「重要な仕事は午前中に済まそう」などテーマが設定されており、全6章。テーマ自体は目新しくないものの、それぞれ作業療法士の筆者がこれまで研究・実践してきた脳を集中させる方法と紐づけて書かれていて説得力があります。

特に第1章で書かれている睡眠については内容が厚くなっており、メインテーマとなっています。
睡眠をしっかりとるメリット、人が眠くなるメカニズム、具体的な快眠方法が書かれており、すぐにでも実践したくなります。

頑張って仕事しているつもりなのに結局仕事が終わらず残業ばかりと嘆く人に向けて、
睡眠をはじめとした脳を集中させるメカニズムを提供してくれる一冊。

※本のタイトルはなんでこうなったか気になるところです。
たしかにメールのことも書いてありますが、もっと幅広く書いてあるので別のタイトルあったんじゃないかと・・・

筆者

菅原洋平 さん
作業療法士
脳のリハビリテーションに従事したのち、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修などを行われており、書籍なども多数出されているようです。

あしたを変える!脳の話@菅原洋平さんのプロフィールページ
あしたを変える!脳の話@菅原洋平さんのプロフィールページです

構成

それぞれテーマごと、全6章。メインテーマは第1章かなと思います。

第1章 「睡眠」からはじまる働き方改革
第2章 重要な仕事は午前中に済まそう
第3章 一度に2つのことはやめてみる
第4章 「資格」を使ってできる人になる
第5章 「言葉」で脳を動かす
第6章 いつも「やる気満々」でいるために

初版:2018年8月

ポイント紹介

睡眠不足は生産性を下げる

睡眠の質を高める3つのコツ

1.眠くなったらベッドに入る
当たり前じゃん!と思うかもしれませんが、逆にいうとベッドの上では「眠る」こと以外しない、という意味です。ベッド=睡眠、という記憶を作ることでベッドでぐっすり眠れるようになります。
睡眠効率(実際の睡眠時間÷ベッドにいた時間×100)を85%以上だと質の良い睡眠と呼べるようです。


2.就寝をそろえるより起床をそろえる
脳は、朝の光を浴びて16時間後に眠くなる仕組みになっている。なので、休日もなるべく起床時間をそろえると、夜も普段通りの時間に眠ることができ、睡眠の質を確保できるそうです。

3.本番の睡眠前にうとうとしない
目覚めている限り、脳脊髄液に睡眠物質が溜まっていきます。この状態を睡眠圧が高まった、と表現するらしく、睡眠圧が高ければ高いほど、その後の睡眠はぐっすりと深くなります。
しかし、本番前(夜の就寝)直前にうとうとしてしまうと、1日かけて溜めた睡眠圧がすべて失われてしまい、結果、夜の睡眠が浅くなってしまいます。

4-6-11の法則

筆者の名前をネットで検索すると出てきます。内容は、

起床から4時間以内に光を見て、6時間後に目を閉じ、11時間後に姿勢を良くする

というもの。

1つ目「4」について
光を浴びるとメラトニン(眠くなるホルモン)の分泌が止まり、体内時計が動き始め睡眠のリズムが整うで。朝起きてから4時間以内に光(できれば日光)を浴びましょう。

2つ目「6」について
人間の脳は1日に2回、起床から8時間ごと22時間後に眠くなるリズムが備わっているため、計画的に仮眠を取りましょう、という方針。眠くなってから眠ると目覚めた後も頭がぼうっとしてしまうので、「眠くなる前に」(起床から6時間後)仮眠をとることが大事です。

3つめ「11」について
これは上記の睡眠の質を高める3つのコツの3番目と関係します。睡眠圧を下げないため、なんとしても夕方以降うとうとしない。出来れば軽くでも運動して夕方寝ないのがベストですが、姿勢を良くして横にならないことを意識して睡魔に打ち勝ちましょう。

エラーレス・ラーニング

50%はやればできることが明らかだけど、残りの50%はやってみなければ分からない、という水準のタスクを「ハーフタスク」と呼ぶそうです。こうしたタスクは自分にとって程よい難易度のため、いわゆるフロー状態に入りやすく集中しやすいとのこと。

大きな課題、目標が立ちふさがったときは、目標をハーフタスクになるまで分解してフロー状態を生み出し、これを積み上げることが大きな目標を達成する近道だということです。

コメント