前回のおさらい
Dクリニックで体外受精を受けることにしたみどり(妻)とサブボス(夫)。
卵胞を多く育てるための注射を打ち始めましたみどりであったが、緊急外来に駆け込むほどの腹痛に悩まされるのであった。
結局原因はわからないまま、体外受精当日を迎えるのであった・・・。
体外受精当日
朝9時30分頃、みどりさんとサブボスはDクリニックに到着します。
家を出るとき、近所に住む野良猫が道路に現れ、まるで「頑張れよ」と言わんばかりにこちらを見ていました。
受付を済ませ、サブボスは1階へ。採精室前の待合室に3人男性が座って待っています。
特に話すこともなく(もちろんですが)、スマホを見ながら待ちます。
待つこと30分、呼ばれて採精室に入ります。
タイミング法、人工授精、血のブライダル、聖夜決戦・・・これまでの苦しい経験が頭に蘇ります。
その苦しい生活にピリオドを打つべく、「いよいよ本番か・・・」と呟きながらも平常心を心がけ、自分のやるべきことを実行します。
そして、これまで幾度も採精→結果確認を繰り返してきたサブボスは、自分で実行したものを見ればだいたい結果が推測できるようになっています。なんと今回は悪くないことを確信し、安堵します。
採精を終え、待合室の反対側の試験室(?)の中の人へ渡し、待つこと90分。結構待つな・・・みどりさん大丈夫かな・・・と思っていたら、ちょうど採卵を終えたみどりさんがどこからともなく現れました。
2人で二階へ上がり、診察に呼ばれます。
結果は
・精子の状況はそんなに良いわけではない(あれ?)
・卵胞は6個取れた。
元々、顕微授精と体外受精を半々で行う「スプリット法」と呼ばれる方式でやろうとしていましたが、精子の状況を鑑みて(意外に良くなかったみたいです)すべて顕微授精で行うこととしました。
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・体外受精
→取り出した卵胞に向かって、精子を大量に振りかけるようにして受精を自然と促す
・顕微授精
→取り出した卵胞に向かって、注射器のようなもので精子を1個(or2個)直接入れ込む
顕微授精は、より精子の状況が良くない人へ向けた方法。元気のよさそうな精子をピックアップし、直接卵胞の中に入れ込むので確実に受精する。ただし、針を差し込むので、卵胞へはダメージがあるとかないとか。
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顕微授精した受精卵が、体内に戻すことができるほど成長するかどうか、3日後に電話が来るようです。
この日はこれでおしまい。
帰りは、クリニックの近くのレストランで昼食をとり、帰宅。あとは祈るだけです。
やっぱりこういう印象的な日はよく覚えています。チキンカレーを食べたことまでよく覚えていて、結構辛めだったことまでよく覚えています。それほどこの日は印象的でした。
病院から連絡・・受精卵の成長・・
数日後、クリニックから連絡が来る日がやってきます。
連絡の内容は「受精卵が、母体に戻して妊娠する可能性があるほど成長しているかどうか」
つまり、受精卵が順調に成長していたら母体に戻すことができるが、うまく成長できない場合は残念ながら母体に戻せないということです。
この受精卵の成長ごとにいわゆるグレード分けされるようです。
例えばですが、
①卵胞が10個取れた → ②受精卵が順調に成長できたのは3つ → ③3つ凍結して、3回に分けて母体に戻す
こんな流れになるようですね。
で、この日は②の連絡が来るということです。
みどりさんは「結果が怖くて聞けない」ということで、スマホをわざわざサブボスに渡して会社へ行き、結果の電話を聞くのはサブボスの役目に。
在宅勤務をしていた昼頃、電話が鳴ります。が、ちょうど打合せで自分がしゃべってるタイミングなので出れず・・・
慌てて折り返します。が、担当の培養士さんがもう業務に戻ってしまってるので、夕方にまた連絡しますとのこと。
しまった・・・また待つこと数時間。
電話来ません。そのまま夕方になり、病院閉まる時間に。まずいまずい。再度しつこく連絡します。
なんとか担当の培養士さんが捕まり、結果を聞きます。
1個、体内に戻せるくらいに受精卵が成長しました、と。
1個だけか・・・という思いと、とりあえず1個できて良かった、という思いでサブボスは複雑な思いです。でも、とりあえずは喜んで良いんでしょう!
帰ってきたみどりさんに報告。そう、翌日クリニックへ行く予定になっているのです。新鮮胚移植と言ってそのまま移植するか、凍結して翌月以降に移植するか。
通常は一度凍結するみたいですが、身体の調子を見ると新鮮胚移植できるでしょう、とのことだったので、クリニックへ行くことになっています。
みどりさんも、喜びつつ、1個か・・・という複雑な表情。やはりサブボスと反応が似ています。
でも、とりあえず結論は「喜ぼう」ですね。自分たちの受精卵が育ってくれたことに感謝感謝。
翌日、いざクリニックへ。
体外受精の結果
翌日Dクリニックへ行き、新鮮胚移植を行います。よく聞くと、胚盤胞という移植に適した状態までは育っておらず、分割胚という状態のまま移植するようです。
サブボスは待つばかりです。不妊治療における男性側の複雑な心境を表す一幕ですね。待つばかりなのです。
そうこうしているうちに移植は終了。後は本当に祈るだけです。
結果は2週間ほどでわかります。
みどりさんは毎日そわそわしています。それはそうですよね。サブボスも気が気じゃありません。
みどりさんは毎日「ブログ見たら、1週間したら検査薬でわかるんだって。もう検査薬しようかな」と言ってます。
みどりさんのブログ調査が光ります。
結構、クリニックで結果を聞いて、ダメで泣いてしまう人もいるみたいで、予めある程度検査薬を使って予測を立てていった方がよさそうな感じです。
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検査薬を使うと、結果は、、、、、ダメそう。いやいや、検査薬じゃわかんないでしょ、とか、まだちょっと検査薬使うの早かったかな?と思っても、2週間が近づくにつれ結果が好転しないのでやっぱりダメそう・・・です。
まだ1回目だから次がある、という考えもありつつ、どちらかというと、こんなにお腹痛くしながら注射したのに・・・という思いが勝ってしまいます。
しかも今回凍結できた受精卵があったわけではないので、また注射からか・・・と思うと憂鬱です。サブボスは注射するわけではありませんが、みどりさんの痛そうな感じを見ると辛くなってきます。
なんで上手くいかないんだろう。そりゃ、ネットを見ると3年とか7年とか不妊治療している人もいて、すぐには結果が出ないこともある、まだ体外受精1回目の自分たちなんて序の口だ・・・と理解しつつも、それでもやっぱりも自分たちが上手くいかないと悲しんでしまいます。
結局、クリニックで結果を聞くのが辛く、クリニックに結果を聞きに行くことができませんでした・・・・・・
これが、1回目の体外受精の結果です。
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